新宿シネマカリテで「追想」を見てきました

 

シネマカリテ「追想」

 

新宿シネマカリテで上映中の「追想」を見てきました。

 

当たり前のことですが、スクリーンで上映されるのはやっぱり素晴らしい!

古い城の構造を活かした復讐劇は、予想以上に痛快で迫力がありました。

 

そして、その間に挿入される在りし日のロミーの美しいこと!

ベールをちょっと持ち上げてシャンペンを飲む姿。

若い下士官と軽やかにダンスするロミー。

ドレスアップし、継娘の卒業式に夫婦そろって出かけるロミー。

豚祭り(ヨーロッパで比較的ポピュラーな収穫祭らしいです)で楽しげに料理するロミー。

 

妻や娘とともに過ごした幸せな思い出が脳裏に浮かぶたび、

怒りに突き動かされるように次々とドイツ兵を殺していく、ノワレ。

残酷なのに、そうせざるを得ない彼の気持ちが痛いほどわかります。

シネマカリテ「追想」

 

一見、小太りで格好のよくないフィリップ・ノワレが演じたからこそ、

この復讐劇を応援したくなるのではないでしょうか。

そんな感想を話していたら、

ダンナがロミーの伝記では割愛した次のようなエピソードを教えてくれました。

 

主役の決定には、少し曲折がともなった。

交渉担当は脚本のパスカル・ジャルダンで、ジャルダンは

まずイヴ・モンタンに話を持ちかけたが、オファーは即座に断わられた(理由は不明)。
次にジャルダンが足を向けたのは、「冒険者たち」でもおなじみのリノ・ヴァンチュラだった。

ヴァンチュラは脚本には感心したものの、出演は固辞し、およそ次のようなことを示唆した。

 

リノ・ヴァンチュラ


「オレが演じるキャラクターは、もっと気前が良い。

 こんな風に一人ひとり順に殺していくような面倒なマネはしない。

 殺るんなら、一網打尽さ」

 

ヴァンチュラは続けた――役者をうまく選べば、このドラマはもっと迫力が増す。

主人公は平和主義者の外科医で、虫も殺さぬような男だ。

そんな男が妻子を殺害され、うろたえ、ついにはSSへ向け銃をブッ放す。

筋金入りの悪党(殺し屋/ギャング)のイメージが貼りついている自分が演じたところで、

観客は驚かないさ。

 

こう言われた瞬間、ジャルダンの頭に浮かんだのがフィリップ・ノワレだった……

 

主役がリノ・ヴァンチュラだったら、「追想」はこれほどの名作になったか?

この問いへの回答はおくとして、

ロミーとヴァンチュラの共演を観てみたかったという方も、ご安心ください。

ロミー・シュナイダーの遺作ひとつ前の映画があります。

タイトルは別として、こちらも傑作ですよ。

 

レイプ殺人事件スチール

 

JUGEMテーマ:外国映画の女優

 


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「Clair de femme」とは、フランス語で「女の輝き」を意味する言葉。ロミー主演映画のタイトルです。謎と悲劇に満ちた生涯を送りながら、スクリーンでは常に美しく輝いていたロミーに捧げるブログです。

text by KT(♀)
本の宣伝担当。ものぐさダンナの代わりにブログ&サイトの運営をしています。

※ご意見・ご感想・お問い合わせは
「romy@officesasaki.net」 まで。

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